家づくりコンセプト

船津地産家づくりの想いと取り組み
 
温故知新のモノ創り
これからの住まいづくりを考える上で、過去から学ぶべきポイントはたくさんあります。戦後、日本は焼け野原から復興し、ついには高度経済成長期を迎えました。需要が供給を上まわり大量生産、大量消費の時代が、実に60年近く続きます。質より量、使い捨て、アッセンブリー交換、豪華さパワー、ブランド力などが豊かさの象徴として脚光を浴びました。

日本の住宅事情
そんな中、住宅業界では、貸家から持家(マイホーム)に移行させ経済の活性化をはかる政策が打たれました。しかし『夢のマイホーム』を手に入れる人が増えて経済活動が活発になる一方で、住宅の“質”犠牲となりました。
カビや結露だらけのシックハウス、築20年でゼロとなる住宅の資産価値、断熱不足による健康障害、冷暖房エネルギーの浪費、設備メーカー主導の設備優先住宅、地球環境の汚染等々、例示すればきりがありませんが、時代が市場を動かして来たのかもしれません。

そうして迎えることになるバブル経済の崩壊。モノが売れない時代が訪れ、日本のモノ創りも大きな変化を強いられます。そこで生まれてきたのが“勝者なき戦い”と呼ばれる低価格競争です。モノが安くなり消費者にとっては一次的なメリットが出た様に思えた一方で、過度の価格競争は、欠陥商品を生み、業者間の首の締め合いを引き起こし、魔のデフレスパイラルを招き寄せました。

そんな悪循環が繰り返される中、忘れがたい出来事が起こります。2011年3月11日、東日本を大震災が襲ったのです。津波により多くの尊い命が失われ、土地の液状化や原発事故など、人々を脅かす事態が今なお続いています。日本経済をも左右するこの未曾有の大災害が、その後のモノ創りをさらに変化させるのは当然のことでした。住宅業界では建物の立地や耐震性、住宅が消費するエネルギーなどが、これまで以上にクローズアップされるようになったのです。

機械に依存し過ぎた省エネ住宅
一方、海外(特にヨーロッパ)に目を向けると、住宅に対する意識の違いに気付かされます。とりわけドイツでは“良い物を手入れしながら長く使う文化”が根付いており、冷暖房や給湯、断熱技術に対する取り組みも進んでいます。日本と比べても、ベースとなる住宅の燃費(保温性、空調、給湯設備等をトータルで考え省エネルギー性能として数値化したもの)には4倍程度の差があります。

さらにドイツでは住宅の省エネ基準や数値化ルールが確立されているのに対し、日本では平成11年の基準レベル今も最高基準(断熱等級4)とされていながら、普及率は約50%というのが現状です。これだけ省エネルギーが叫ばれていながら、注目されるのは太陽光発電や蓄電設備を満載した大量消費の価値観を引きずった住宅ばかりです。
太陽光発電や蓄電池がこれからの時代に必要であることは事実ですし、我々も取り組んでおります。ですがそれ以前、住宅の燃費を向上させる努力が立ち後れていることが問題なのです。日本の住宅はこれらの課題に取り組む時期に来ており、一刻の猶予もありません。

日本に望まれる住宅のあるべき姿とは
日本の住宅は量より質の時代
・家事動線の工夫や、
楽しく暮らせてホッとできる住宅。
・日本の気候風土に合わせて、家全体が夏涼しく冬温く快適かつ健康的にに暮らせる住宅。
・地震などの自然災害に強く、
丈夫で安心な住宅。
ヨーロッパから見習うべき考え方
・手入れしながら永く住み、
資産価値を高める。
・家庭で消費されるエネルギーを
化石燃料や電力に依存しすぎない。
・保温性が良く、冷暖房費や
CO2排出量を抑える。
将来を担う子どもたちが安心して暮らせる豊かな環境を創り、健康で心から楽しく暮らせる省エネ住宅の普及に努める事が、日本の住宅市場の約7割を占める我々地場工務店の使命と心得、今後も様々な課題の克服と情報発信に努めていきたいと考えます。
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